個性的なコレクション
高まり続けるこの情熱に突き動かされた彼は、やがてワイン生産と卸業を営む人々と出会うことになります。彼らの名は、パトリックとジャック・ブエイ。3世代前からボルドーに居を構える一家で、彼らがフランソワ=ルイの夢を叶えることになるのです。その夢とは、主に格付けされたグラン・クリュ所有地で生産されるボルドー高級ワインの個性的なコレクションを作ること。
彼のイメージに沿ったコレクション。それは最高の土地から生まれる正統派のクリュであること。ただし、何よりもまず、彼が慈しむ食の喜びと友情への称賛に見合った、楽しみながら飲めるワインであること。
しかし単にワインをセレクトするだけの役にはとどまらないフランソワ=ルイ・ヴィトンは、フランス流ライフスタイルに対する彼の愛情を世界の至る所で共有する伝道師となるのです。
グラン・クリュによるプライベート キュヴェ
ボルドーの格付けグラン・クリュ第1級を選定すること。大半の人々と良好な関係を築ける彼の人となりを考慮すれば、それはフランソワ=ルイにとって容易であったはずです。しかし、彼が誰よりも心得ていたのは、これらのボトルが至高の宝であるがゆえに、人は得てして開けるよりも見惚れるほうを選ぶということです。
「FLV」という名の享楽主義者は、長期間待つことなく味覚の喜びを共有できるワインを求めていました。彼自身の配慮により醸造され、アッサンブラージュが行われるオーダーメイドのプライベート キュヴェを、樽数個程度作ること。厳選されたグラン・クリュ生産者ひとりひとりにこれを提案しました。